従来の電池解析では、電流または電圧のプロファイルが先に決まっていて、それを入力条件として3次元解析モデルに設定されてる。BMSはまるで存在していないように、電池がどんな条件でもそのプロファイルに従って挙動するとなっている。実車では、BMSが電池の状態をモニタリングして、その状態に応じて時々刻々に電池の入出力電流またはセル電圧を制御しているため、想定されているプロファイルの通りに動いていないのはほとんどだ。それをゆえに、従来の電池解析では実車性能の予測性に欠如している。特に、急速充電性能、長距離の連続走行などのシナリオでは従来の解析手法では適用できないと考えている。
弊社はこの課題を認識し、BMSありの電池解析ソリューションを開発した。まずは、長年蓄積したBMS開発経験をもとに、BMSの数値モデルの作成し、市販の1Dシステムツールに織り込んでみた。各社では独自のBMSを開発して、一律ではないが、MBSE観点からみると、BMSに担う機能が共通していると考えている。弊社開発した汎用BMS数値モデルをもとに、各社が開発したBMSに適用、カスタマイズすることが可能になっている。その以外に、充電器モデル、温調モデル、空調モデルも用意しており、車両全体の関連システムに必要に応じて拡張することができる。