高温排気系による熱害から大切な部品を守る
排気系過渡解析を高速化させて、ついに計算時間がリゾナントブルー
排気系は流速が高くて、レイノルズは大きいため、CFD 3次元解析では細かいメッシュで流域を分割する必要がある。従来の排気系解析では非常に計算コストが高い、過渡解析では実用化になっていない課題が残っている。リアルワールド走行条件での解析は車両熱マネジメントへの適用はいまだにできていない。
TAIThermではCFDと少し異なる解析手法を採用し、排気系過渡解析の高速化を実現できた。排気系に固有な物理現象を徹底的に研究して、内壁の熱伝達係数と形状、流速、エンジン回転速度などの関係を捉えたうえで、排気系の流れ場の3次元解析を行わずに、内壁面と排気ガスの熱交換を直接的に計算することで、計算速度は飛躍的に向上した。
排気系モデリング時間も短縮化
排気系はマニフォールドから多岐になり、複雑な流路構造となっている。排気流路の設定には従来膨大な工数がかかる。TAIThermの排気系専用モジュールでは排気流路を自動認識機能を搭載し、上流接点、分岐点、下流接点をマウスで指定することで、TAIThermは自動的に排気流路モデルを構築する。
リアルワールド走行を想定した過渡解析にも対応
近年、EVモードでの走行距離を増やすために、ハイブリッド車両の電池は大容量化になっている。大容量の電池パックは後部座席の下に収まらず、床下に配置して排気系と近付けている。長時間の高速走行、登坂などのシーンではエンジン系が起動し、排気系が高温になってしまう可能性がある。排気系からの高温輻射または熱風の影響により、電池パックの温度が高くなるケースができている。TAIThermではハイブリッド車の複雑なモード遷移によるドライブサイクル条件をそのままに解析が可能になり、ハイブリッド車の排気系解析に高く評価されている。