ネッククーラーの冷感効果を人体生理学および快適性解析で検証

今年の夏は西・東日本とも各地は例年より暑かった、同じ日に最高気温40℃台に上った地域で広く記録されています。多くの人は通勤、買い物のために、室外で歩行で移動する必要がありますが、凄まじい暑さではごく短い時間でも体は非常に不快的になりがちです。歩きながら体を冷める技術が求められています。その中、ネッククーラーという新しい”ウェアランブル冷却器”に注目しております、首元に装着可能な携帯より小さいサイズで、冷たい金属部を直接に体に接触して冷力を伝わることができる画期的なコンセプトです。

ネッククーラーはいくら効いているかをTAIThermの快適性シミュレーションで客観的に検証してみました。

ネッククーラーの冷却部は市販商品を参照して52mmx64mmの四角形状に設定しております、人体モデルはTAIThermに実装している女性モデルを使用しております。ネッククーラーと人体の接触部位は、首元に装着する姿を想定して、TAIThermのThermal Links機能で自動認識した首元と背中上部の接触可能領域となります。外気温度は32℃で、クーラー本体は起動時にMIN温度は23℃になるようにモデリングします。

シミュレーション条件は下記3フェーズに設定しています。

  • Phase 1: 25℃快適室内環境にて30min間着席
  • Phase 2: 32℃猛暑室外環境にて5min駅まで歩行
  • Phase 3: 28℃弱冷房電車にて5min間着席

ネッククーラー装着あり・なしの温度シミュレーション結果は下記のようになります。

室内では、ネッククーラーと皮膚密着していることで0.5℃程度高くなりますが、34℃の室外ではクーラー仕事で皮膚温度が5min間で1℃程度下がりました、電車に乗ると、弱冷房との共同効果で皮膚温度が5min間でさらに2.5℃下がりました。一方、クーラーなしでは34℃の室外で皮膚温度は2℃程度上がったことがわかります。

そして、首元部位の快適性のシミュレーション結果は下記のようになります。

※快適性指標はBerkeley Comfort Indexに参照

この結果はネッククーラーの冷感効果を示しており、室外で装着なしでは-2の不快適に対して、装着すれば一時+3の快適性となっております、3~4分後に体が慣れると快適性は+1に落ちるが、またやや快適と感じています。対象組のネッククーラー装着なしの結果では、34℃の外気に反応して、一時-3.5程度のすごい不快適を感じて、その後ずっと-2程度の不快適が維持されました。

電車の28℃程度の弱冷房車に乗っても、同じようにネッククーラーの装着効果が確認されています、装着なしに対して+1℃の快適効果があると示しました。

以上で、今回TAIThermによる話題のネッククーラーに関するシミュレーションおよび快適性効果の検証結果となります、いかがでしょうか。私はこれからは本物のネッククーラー装着して自分自身の体でシミュレーション結果を確かめてみようとしています。

参考資料:

heatillness_manual_full.pdf (env.go.jp)

REON POCKET 3|ソニー [公式] 冷温対応ウェアラブルデバイス (sony.co.jp)

【最低温度5℃】クーラーのような涼しさで暑い夏を快適に【Cooler Neck】 – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

※REON POCKETはソニーグループ株式会社の商標または登録商標です。

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